健康情報学Ⅰ

授業科目名 健康情報学Ⅰ
講義担当者 所属・氏名 医学研究科教授 中山健夫ほか
開講場所 医学部G棟2階セミナー室A
単位数 2
開講期 後期
曜時限 金2
授業形態 講義

授業の概要・目的

健康・医療情報、データや知識の収集、蓄積、伝達、検索、評価法、情報リテラシー、ヘルス・コ ミュニケーション(リスクコミュニケーション含む)、個人情報保護などの情報倫理の課題について講義する。疫学やEBMを基本として、医学文献からマスメディア、インターネットによる健康情 報まで、さまざまな情報の特徴を知り、それらを主体的、効果的に活用する方法を考える。さらに 欧米の医療関係者に関心の高い性格テスト・MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)のワークショップを 通して、個人の情報処理・認知の特性とコミュニケーションに関して体験的理解を深める。

到達目標

・疫学・EBMの知識を応用して、各種の健康・医療情報を適切に活用できる。
・マスメディア情報、インターネット情報を収集し、適正な吟味を行った上で意思決定、問題解決、そしてコミュニケーションの素材とすることができる。
・MBTIの視点から、個人の情報処理・認知、コミュニケーションの特性を理解する。

授業計画と内容

(※変更の可能性があるので開講日に確認して下さい)
第1回 10月5日 疫学とEBMからの健康情報リテラシー入門(1)
第2回 10月12日疫学とEBMからの健康情報リテラシー入門(2)
第3回 10月19日患者視点の情報:Quality of life と Patient reported outcome
第4回 10月26日インターネットとe-ヘルス
第5回 11月2日質の高い医療情報の集約・共有・普及:根拠に基づく診療ガイドラインを考える
第6回 11月9日ナラティブ情報の意義と可能性
第7回 11月30日「がん」をめぐる患者・国民・医療者向け情報の整備
第8回 12月7日 疫学情報と因果関係論
第9回 12月14日 ベネフィットとリスクのコミュニケーション
第10回 12月21日ヘルス・リテラシーとリスク・コミュニケーション
第11回 12月28日代替医療とプラセボ:健康情報とコミュニケーションの視点から
第12回 1月11日 パブリックヘルス・インフォマティクス
第13回 1月17日 個人の情報処理・認知特性からコミュニケーションへ:MBTI (エムビーティーアイ :Myers-Briggs Type Indicator) セミオープンワークショップ 13時30分〜17時30分
第14回 1月18日 個人の情報処理・認知特性からコミュニケーションへ:MBTI (エムビーティーアイ :Myers-Briggs Type Indicator) セミオープンワークショップ 9時〜12時、13時〜16時
第15回 1月25日 総合討論・個別発表 「健康情報学Iを履修して」
※「健康情報学II」の講義と重ならないように開講します。

履修要件

疫学または根拠に基づく医療(evidence-base medicine: EBM)の基礎知識を持つことが望ましいが、 必須ではない

成績評価の方法・基準

毎回の小レポート提出80%、発表20%

教科書

講義資料は配布、MBTIワークショップのテキストは各自購入(3,000円程度)

参考書等

中山健夫著 『健康・医療の情報を読み解く:健康情報学への招待』(丸善書店)
中山健夫監修 『ヘルスコミュニケーション実践ガイド』(日本評論社)
中山健夫・杉森裕樹監訳 『FDA リスク&ベネフィットコミュニケ―ション』(丸善書店)

その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)

情報とは「意思決定において不確実性を減じるもの」と定義されます。社会における健康・医療に関する情報の適切なあり方、そして個人の特性理解の視点から、情報のコミュニケーションについて考えてみたいと思います。