医療政策のELSI

授業科目名 医療政策のELSI
講義担当者 所属・氏名 医学研究科教授 川上浩二
政策のための科学ユニット特任教授 カール・ベッカー
開講場所 国際高等教育院棟 演習室23
単位数 2
開講期 後期
曜時限 水4
授業形態 演習

授業の概要・目的

本講義は、「政策のための科学」プログラムのオリジナル科目の一つ(選択科目II:イシュー科目群)である。
本講義では、倫理・法律・社会学(ELSI)の立場から高齢社会の問題等を文化論的に探求する。例えばインフォームド・コンセント(治療選択・自己 決定権)、Truth-Telling (告知)、医療情報の公 開・透明性・所有権、を出発点として、公共資源分配と医療保険制度の問題点を提起し、また医療 倫理学の思考法の問題点も検討する。コンフリクトに出遭う時、狭い主観的な見地から、より多元 ・多様な見解・理解ができるようになることは、本授業の取り上げる問題解決のみならず、今後の 政策検討に於いて有益なスキルになると思われる。

到達目標

マニュアルやルールブックによる絶対唯一の正解ではなく、その文化と状況に応じて最も相応しい倫理行動を探る、頭の訓練を繰り返す。コンフリクトに出遭う時、狭い主観的な見地から、より多元・多様な見解・理解ができるようになることは、本授業の取り上げる問題解決のみならず、今後の人生に於いても有益なスキルになると思われる。

授業計画と内容

下記の様な内容を毎週紹介し、それぞれに関する宿題を一緒に添削・訂正する:
第 1回 10月03日 倫理とは? 政策に於けるELSIとは? 自己紹介と生命倫理学の紹介
第 2回 10月10日 症例紹介とその分析法・ステークホルダー論
第 3回 10月17日 人口と医療福祉費配分問題
第 4回 10月24日 家庭内暴力・虐待
第 5回 11月07日 重大欠陥新生児
第 6回 11月14日 障害者福祉
第 7回 11月21日 致命的選択/優先順位
第 8回 11月28日 QALYs/医療政策
第 9回 12月05日 ACP・AD・POLSTと尊厳死・安楽死・自死
第10回 12月12日 脳死・臓器移植
第11回 12月19日 死別と悲嘆のケア
第12回 12月26日 自己健康管理
第13回 01月09日 動物実験・研究倫理とCOI
第14回 01月16日 総まとめ
第15回 01月23日 フィードバック

履修要件

特になし

成績評価の方法・基準

平常点評価 出席40%、中間課題20%、期末課題40%

教科書

多くのビデオや参考資料を授業中に紹介する

参考書等

特になし

その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)

毎回、宿題を提出してもらい、前回の宿題を返却する。
その積み重ねの過程によって、スキルが身に付くので、途中で休んだりすると、次の段階が分からなくなる。
よって、毎回の出席と宿題提出が重要になる。