政策のための研究方法論

授業科目名 政策のための研究方法論
講義担当者 所属・氏名 医学研究科教授 川上浩二
政策のための科学ユニット特任教授 カール・ベッカー
開講場所 4共204(4共25)
単位数 2
開講期 前期
曜時限 水3
授業形態 演習

授業の概要・目的

本講義は、「政策のための科学」プログラムのオリジナル科目の一つ(選択科目II:イシュー科目 群)である。
社会政策を研究するためには、社会学、心理学、科学史、政治経済などの学問体系を股がらざるを得ない。本演習では、それぞれの学問領域の研究方法論を土台に、情報の検索・収集・分析から、論理構造や政策作りまで、学会発表を含め、高度な論文の研究法と書き方を目指して指導する。本演習によって、院生は信憑性と注目度の高い情報を直ぐに探せ、自分の研究論文の先行研究として位置付けられる様になる。そして論文の論理的構築と標準的形式を理解して、研究論文や出版投稿論文の基礎知識を身に付ける。

到達目標

本演習によって、学生は信憑性と注目度の高い情報を直ぐに探せ、それらを自分の研究論文の先行研究として位置付けられるようになる。そして論文の倫理的構成と標準的形成を理解して、卒業論文や出版論文の基礎知識を身に付ける。

授業計画と内容

下記の様な内容を毎週紹介し、それぞれに関する宿題を一緒に添削・訂正する:
第 1回 04月11日 オリエンテーション:メモの取り方、学術的集中法等
第 2回 04月18日 研究テーマの選び方・絞り方・目的と研究題目
第 3回 04月25日 論文調の表現や注意点・中心的概念の定義の種類
第 4回 05月02日 基礎文献の特定・確認・検索方法
第 5回 05月09日 Cinii/Web of Science による有用記事+目的の明瞭化
第 6回 05月16日 書評で注目される著書の検索
第 7回 05月23日 被引用件数で雑誌記事を検索
第 8回 05月30日 アブストラクトの使い方と書き方
第 9回 06月06日 アウトライン・目次 論理構造の形成
第10回 06月13日 新聞記事・大宅壮一 (+文献表)
第11回 06月20日 アウトライン・目次 の実例再検討
第12回 06月27日 英語と日本語の博論・非売品〜政府白書から科研・財団報告書
第13回 07月04日 目次の最終構成・文献表作成確認
第14回 07月11日 総まとめ、宿題提出
第15回 07月18日 フィードバック

履修要件

論文作成は、数冊の本を読めば出来る作業ではなく、広範囲な文献収集を要するので、計画的な時間配分を心がけられる大学院生を期待する。

成績評価の方法・基準

中間の提出:10%、学期末レポート試験:30%、毎回の出席と宿題提出:60%、と計算して評価する。なお、4回以上授業を欠席した場合には、単位を認めない。

教科書

授業中に紹介・配布する。

参考書等

高橋昭男 『仕事文の書き方』(岩波新書)
小笠原誠 『読み書きの技法』(筑摩書房)

その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)

授業外学習としては、毎回、受講者の研究テーマに関する作文か、図書館やデータベースで資料に基づく調査か、いずれかの作業を必要とする。毎週提出された作文や資料は、次週に返却され、その積み重ねで成果が上がってゆく。またディスカッションの種にもなるので、その予習と提出は欠かせない。